コラム 2025年9月3日
男性型脱毛症(AGA) — 韓医学の頭皮薬鍼と内服薬戦略
金孝燮
代表院長
男性型脱毛症(AGA)のメカニズム
男性型脱毛症(AGA, Androgenetic Alopecia)は男性脱毛の約95%を占めます。テストステロンが5α還元酵素によってDHT(ジヒドロテストステロン)に変換されると、DHTが毛包のアンドロゲン受容体に結合し毛包を萎縮させます。前頭部のヘアラインが後退し頭頂部が薄くなるパターンが典型的です。遺伝的素因が大きいですが、ストレス・睡眠不足・栄養不足が進行を加速します。
血虚風燥と腎虚
韓医学では毛髪を「血の余り(血之余)」と呼び、血が十分であってこそ毛髪に栄養が届きます。血虚が長引くと頭皮が乾燥し風が生じて、かゆみと脱毛が同時に現れます。これを血虚風燥といいます。同時に腎は毛髪の根本であるため、腎精が不足すると毛髪が細くなり白髪と脱毛が進行します。
何首烏・側柏葉 — 中核薬材
- 何首烏(製何首烏):肝腎を補い精血を満たす代表薬材です。毛包細胞の成長周期を延長させるという研究があり、韓医学の脱毛処方の中核を担います。
- 側柏葉:涼血祛風作用で頭皮の熱感とかゆみを軽減し脱毛を抑えます。外用として頭皮に直接塗布することもあります。
- 補助薬材:当帰(血の補充)、川芎(頭皮血流改善)、女貞子(肝腎補益)、桑椹子(腎精補充)
頭皮薬鍼治療
頭皮薬鍼は脱毛部位に直接韓方薬抽出液を微量注入する治療法です。黄耆・当帰・鹿茸などの薬鍼液が毛包に直接栄養を供給し、微細刺激が頭皮血流を増加させます。週1~2回、最低12週以上継続して効果を実感できます。内服(韓方薬)と外治(薬鍼)を同時に進めると単独治療より効果が優れています。
日常生活の頭皮ケア
頭は夜に洗って一日に蓄積された皮脂と老廃物を除去し、頭皮まで完全に乾かしてから就寝してください。頭皮マッサージを1日5分ずつ行うと血流改善に役立ちます。