コラム 2025年12月28日
骨盤の歪みが股関節痛を生むとき
金孝燮
代表院長
骨盤が歪むと股関節が痛みます
骨盤(pelvis)は左右股関節の土台(foundation)です。骨盤が水平を保てないと左右股関節に不均等な負荷がかかり、片側の股関節に過度なストレスが集中して痛みが生じます。骨盤の歪みは股関節痛の隠れた原因の一つで、局所治療だけでは解決しない慢性股関節痛の根本を説明してくれます。
骨盤の歪みのタイプ
- 骨盤前傾(anterior pelvic tilt):骨盤の前側が下方に傾いた状態。股関節屈筋が短縮し、腰椎前彎が増して股関節前面(鼠径部)の痛みを引き起こします。
- 骨盤後傾(posterior pelvic tilt):骨盤の後ろ側が下方に傾いた状態。殿筋とハムストリングスが過緊張し、股関節後面の痛みが生じます。
- 骨盤の左右非対称(lateral tilt):片側の骨盤が高くなると機能的脚長差が生じ、低い側の股関節に負荷が集中します。
- 骨盤回旋(rotation):骨盤が一方に回った状態で、左右股関節の可動域や筋活動パターンが変わります。
機能的脚長差の影響
実際の骨の長さは同じでも骨盤の歪みにより脚の長さが違って見えるのを機能的脚長差といいます。短い側の股関節は歩行時に過度に内転し、長い側は過度に外転して、両側の股関節に異常なストレスが加わります。
推拿矯正とコア安定化
骨盤の歪み矯正は推拿(チュナ)の代表的な適応症です。
- 推拿矯正:仙腸関節(SI joint)、恥骨結合、腰椎-骨盤移行部の関節可動性を回復させ骨盤アライメントを整えます。
- 鍼治療:短縮した筋(腸腰筋、梨状筋など)の硬結を緩めて弛緩させます。
- コア安定化運動:整えた骨盤アライメントを維持するため腹横筋、骨盤底筋、多裂筋を強化します。
- 生活習慣:脚を組む癖の修正、片側の肩だけに鞄をかけることを避ける
骨盤アライメントが整えば股関節の負荷が均等に分散され、痛みは自然に和らぎます。矯正後もコア運動を続けてこそ再発を防げます。