コラム 2026年2月22日
肩の石灰沈着性腱板炎、激痛の原因と治療
金孝燮
代表院長
昨日まで何ともなかった肩が突然激痛で動かせなくなることがあります。夜間に痛みが強すぎて眠れず救急外来を受診する方も少なくありませんが、こうした場合は石灰沈着性腱板炎の可能性が高いです。
石灰沈着性腱板炎とは?
肩の腱板の腱組織にカルシウム(石灰)が沈着する疾患です。40~60代に最も多く、女性に発症しやすい傾向があります。石灰が蓄積する形成期には大きな症状はなく、石灰が分解吸収される吸収期に突然の激痛が現れます。
石灰沈着性腱板炎の進行段階
- 形成期(前石灰期) — 腱組織が線維軟骨へと変化、痛みはほぼなし
- 石灰期 — 石灰が硬く沈着、軽度の痛みまたは無症状
- 吸収期 — 石灰が溶けながら周囲に炎症反応を起こし、激しい急性痛
- 回復期 — 石灰の吸収完了、腱組織が回復し、痛みが軽減
治療方法
石灰沈着性腱板炎は自然吸収されることが多く、まずは保存的治療が優先されます。
- 急性期の痛みコントロールのための韓方薬の処方と鍼治療
- 薬鍼による局所の消炎と石灰吸収の促進
- 痛みが落ち着いた後の肩関節可動域回復運動
- 体外衝撃波療法(ESWT)など物理療法の併用
注意事項
激しい痛みが現れる吸収期は逆説的に石灰が分解されている段階であり、回復のサインと捉えられます。急性痛は通常1~2週間以内にピークを越え、その後徐々に改善します。ただし石灰が6か月以上持続したり繰り返し再発したりする場合には追加治療を検討すべきです。