コラム 2025年3月3日
職業性腰痛 — 重量物取扱い労働者
金孝燮
代表院長
重量物の取扱いと腰椎への負担
物流、建設、製造業などで重い物を反復的に持ち上げ、運び、降ろす作業は腰椎に最も大きな負担を与える産業活動です。20kg以上の物を1日数十回取り扱うと、腰椎椎間板(ディスク)にかかる累積圧力は正常水準の3〜5倍に達します。これにより椎間板の変性(degeneration)が一般人より10〜15年早く進行することがあります。
職業性腰痛の進行段階
- 初期:作業後の腰のだるさ、休息で改善 → 多くの場合無視される
- 進行期:朝に腰がこわばり、腰を伸ばしにくく、終日鈍痛が続く
- 悪化期:臀部〜下肢への放散痛、椎間板ヘルニア疑い → 画像検査が必要
- 慢性期:3か月以上持続、作業能力低下、労災申請段階
推拿治療と脊椎矯正
職業性腰痛において推拿は変位した腰椎を矯正し椎間孔を広げて神経刺激を軽減する核心的役割を果たします。特にL4-L5、L5-S1分節の後関節亜脱臼(subluxation)を矯正すると、即座の疼痛軽減を経験する場合が多いです。週2〜3回の推拿治療を4〜6週間行います。
韓方薬治療
職業性腰痛は腎虚腰痛の様相を呈する場合が多いです。長期間の過労が腎の精気を消耗し、腰を支える力が弱くなったものです。独活寄生湯を基本としつつ、腎虚が顕著な場合は杜仲、続断、補骨脂を重用して腎気を補強します。
作業環境改善の勧告
治療と共に作業環境改善が並行されてこそ再発を防止できます:
- 持ち上げる前に必ず膝を曲げて下肢筋力を使用
- 25kg以上は2人1組作業または補助器具使用
- 毎1時間ごとに腰のストレッチを5分実施
- 腰用サポーター(腰椎ベルト)着用 — 腹圧補助