おりものと繰り返す膣炎 — 脾虚湿下注の韓方治療
おりもの(帯下)と膣炎の関係
帯下(おりもの、帶下)とは膣分泌物のことで、正常でも少量分泌されます。しかし量が過多、色が黄色や緑色、臭いがする、かゆみを伴うなどがあれば病的帯下(帶下病)です。膣炎にはカンジダ・細菌性・トリコモナスなど多様な原因があり、抗生剤や抗真菌薬で治療しても再発率は40〜50%に達します。膣内環境の根本が改善されないからです。
脾虚湿下注(脾虛濕下注) — 再発の根本原因
韓医学ではおりものの根本原因を脾虚湿下注(脾虛濕下注)と捉えます。脾(脾)の運化機能が弱まると体内の水湿(水濕)が正常に代謝されず、重力により下焦(下焦)へと流れ下りて子宮や膣に蓄積されます。この湿った環境が病原菌繁殖の温床となり、膣炎が繰り返されます。したがって単に菌を殺すだけでは不十分で、脾胃を強化して湿を根本から除去する必要があります。
完帯湯(完帶湯)
完帯湯は帯下治療の代表処方です。白朮(白朮)・山薬(山藥)で脾気(脾氣)を補強し、人参(人蔘)・甘草(甘草)で元気を補い、蒼朮(蒼朮)・陳皮(陳皮)・車前子(車前子)で湿を乾かし、柴胡(柴胡)・荊芥(荊芥)で肝気を巡らせます。「帯(帶)を完全にする」という意味で、帯脈(帶脈)の束縛機能を回復させ湿が下に流れるのを防ぎます。
- 黄色いおりもの+臭い:黄柏(黃柏)・萆薢(萆薢)を加えて清熱利湿(清熱利濕)
- かゆみが強い場合:苦参(苦參)・蛇床子(蛇床子)を外用座浴剤として活用
- おりものが薄く透明な場合:鹿角霜(鹿角霜)・補骨脂(補骨脂)を加えて温補腎陽(溫補腎陽)
座浴と生活管理
苦参・蛇床子・黄柏・地膚子(地膚子)を煎じた湯で座浴すると、膣内環境を改善しかゆみを和らげます。通気性の良い綿の下着を着用し、きついズボンは避けます。膣洗浄剤(feminine wash)の乱用は正常な乳酸菌(lactobacillus)を破壊するため、水で外陰部のみを洗うのが望ましいです。糖分の多い食事はカンジダ増殖を促進するので注意してください。